シニアが掲げる人生の目標・生き方の指針とは
シニア世代の人々は実際のどのような生き方の指針や目標を掲げているのでしょうか?普段の会話では、どのように今後のことを考えているかなど聞く場面は多くありません。改めて聞いたとしても、照れてしまったり、「そんな大それた物はないよ」と謙遜されてしまうことが多いでしょう。
実際には、自分の生き方に誇りをもっている人が多いような印象をうけますが、皆さんはどのように生き方を決めているのでしょうか。そのカギは、「自分史」にあります。複数名の自分史の事例から、シニア世代の方が今後の生き方の指針としてどのようなことを掲げているかをみていきましょう。
金融会社を定年退職された65歳Uさんの例
Y.Uさん65歳の自分史から生き方の指針・目標を抜粋
「とにかく自分の好きなように過ごしたい、生きたいと思うことが「夢!」ぼんやりと考えていることは、何らかの形で地域参加、地域貢献ができないだろうか。多少の金融知識や法律知識と、これまで巡ってきた地での経験を活かした活動ができないか。自ずと芽生えてくる問題意識をボヤキで終わらせず、具体的な提言や改善の「考動」を目指したい。」
Y.Uさんは金融業界で定年退職まで勤められた会社員の方です。
・自分の好きなように過ごす
・経験や知識を活かして、地域貢献活動に参画したい
と述べられています。
シニア起業してサイト運営をする67歳Yさんの例
Y.Yさん67歳の自分史から生き方の指針・目標を抜粋
「 困難は枕木のように次々にやってきました。そんな時、私はいつも自分に問いかけます。 「私は何のために生きているんだろう?」「神様はいったい私に何を求めているのだろう?」ぐるっとママというポータルサイトを立ち上げてそれにやっと気付くことができました。今までの困難は、すべてこれのために与えられた事象だったのです。ぐるっとママは私が生まれ与えられた使命だと思っています。子育て中のママパパに寄り添い、子ども達が笑顔あふれる社会創りに貢献していきます。」
Y.Yさんは63歳で事業を息子さんに事業継承されて、シニア起業された女性です。
・シニア起業して立ち上げた事業を使命としてとらえて推進する
・困っているママ対する情報サイトを運営して笑顔溢れる社会をつくること
を掲げられています。
過疎化が進む地元の観光開発をする73歳Yさんの例
I.Yさん73歳の自分史から生き方の指針・目標を抜粋
「私はこの神通渓谷を、電気の歴史と滝を中心とした渓谷の景観を合わせた自然学習の場にしていきたいと考えている。神山町を深い学びと自然の豊かさを感じられる唯一無二の場所として、活性化するというのが夢なのだ。」
I.Yさんは山岳植物園を50年にわたり開発されてきた地元の地域おこしの第一人者の方です。
・渓谷一帯を自然学習の場にすること
・渓谷を観光地化することで活性化すること
を掲げて取り組んでいらっしゃいます。
田舎で商店を経営する74歳のIさんの例
K.Iさん74歳の自分史から生き方の指針・目標を抜粋
「夢とまではいかないが、ずっと笑顔でいられる暮らしがしたいと思う。誰かと一緒に暮らしたら良いことはもちろん、多少の困ったこともあるが、それでも良い方向に考えて心満たされる暮らしを続けようと感じる。現代社会では失われつつある豊かな暮らし方が、神山にはある。田舎でありながら先進的な部分があり、だれが来ても魅力的だと感じる町であろう。これからも神山と共に歩み続けたいものである。」
K.Iさんは田舎町を訪れる人に下宿先を提供している商店のオーナーですが、
・町を訪れる人と共に歩むこと
・地域おこしの活動を継続し、町と共に歩むこと
を掲げていらっしゃいます。
人生の指針や目標に「こうあるべき」はない
このように、それぞれの人生の指針や目標を見ていると、人生の指針や目標は人それぞれで、分野も、抽象度も、方向性もまったく異なることに気づきます。また、その目標は願望レベルなのか、すでに取り掛かっている実践を伴って具体的に目指しているものなのかも異なります。
「こういう目標をかかげるのが、良い目標の立て方である」、「こういう立派なことを言わなければならない」、「あの人と比べて自分は・・」ということではなく、自分が生き方の指針にどれだけ納得していて、それを胸にこのあとの人生を歩んでいきたいかということが大切です。
人生の指針や目標につながる「自分史」。
納得度の高い、自分の人生からみて一貫性のある目標は、自分史を書くことで見えてくることがあるものです。